東京大学

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量子ビットの形成

量子コンピューティングで行われる量子情報処理とは、"0"と"1"の重ね合わせ状態を持つ量子力学的2準位系で表される量子ビット(図2-1) を用いた情報処理のことです。特定のアルゴリズムにおいて、現在の古典コンピューターより高速に演算が可能であることが理論的に証明されており、現在まで様々な実験が行われています。その中でイオントラップ量子情報処理は、実現方法の有力な候補の一つであり、低温まで冷却したイオンに対して、レーザー等で個別の内部状態を操作する手法により実現されます。

Caイオンをレーザー冷却してトラップすることで、イオン内部状態の制御・操作による量子ビット活用への展開が考えられます。
長谷川研究室では、Ca安定同位体イオンを同位体選別して冷却・トラップし、Ca複数同位体イオンによる平面結晶の形成に関する研究開発を行っています。

また、イオントラップ量子情報処理をもちいて、より大規模な計算を行うにあたり、そのスケーラビリティを向上させる必要があります。そこで、スケーラビリティ向上に向けて、Caイオンを用いた複数同位体平面クーロン結晶の生成及び、リュードベリイオンによる高速量子ゲートの実現に向けた研究開発を行っています。
図2-2は、誘導結合プラズマ結晶分析計(ICP-MS)とイオントラップを組み合わせて、Ca+イオン結晶を観測した例です。


図2-2:(上段)セットアップ写真及びCa+イオン結晶の観測例
 (下段)Ca+イオンの結晶化を示す動画(クリックで再生)

すでに、Ca同位体選別能力を向上させるため、イオン源としてICP-MSに代えて共鳴イオン化を利用したセットアップを構築しています(図2-3)。



図2-3:(上段)Ca原子の共鳴イオン化スキーム
(下段)左:Ca+イオンの平面クーロン結晶シミュレーション
右:製作した小型イオントラップ